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事実を整える

政治関連など報道されていることで、よくわからない点や誤解が多い点について、事実に基づいて整理します

百条委員会:豊洲移転交渉の「土壌Xデー」

豊洲移転に関する百条委員会が開催されていますね。

その中で、音喜多駿議員による「新事実」にかんする質疑が話題になっています。

 

otokitashun.com

ここでは、東京ガスから提出された「メモ」の中に、都側との交渉においてどのような出来事があったのかが記されていた、というのです。以下で見ていきましょう。

ただ、気を付けるべきは、これは確認された「事実」ではなく

まだ仮定の段階に過ぎない

ということです。委員会のノーカット動画がUPされています。音喜多議員の質疑は32分からです。東京ガスの証人は、全員がこのメモについて知らないという答弁でした。

www.youtube.com

 

「新事実」?とされる交渉内容

「土壌Xデー」を利用した早期売却の申し入れ  

音喜多議員によると、土壌Xデーとはどうやら、 端的に言うと

 

土壌汚染対策の基準が厳しくなる日

 

を指すようです。

当時の基準は「東京都の環境確保条例」に依っていましたが、売却が遅れると、国が新しく施行することになっていた「土壌汚染対策法」が適用される可能性があったのです。

(ただし、施行時期については未確定だったようですが、いずれにしても近い将来のいずれかの時点で施行される運びとなっていました。)

 

「東ガスさん、早く売却しないと再調査が必要になるし、土地の価格も下がる可能性が高いから、売りましょうよ」

 

このような動機づけをする会話がなされていたことは、おそらく事実だと思われます。

問題とされるメモでは、「脅かされた」と書いており、ここから圧迫的交渉が行われていたのではないか?という推測が音喜多議員によってなされています。

 

「新しい法律を作って売却を厳しくしてやるからな」

このような態様の交渉が行われていたのではないか?という推測が成り立つのは

「先週は中曽根元首相が都庁にやってきた」
「いま石原・扇(当時建設・運輸大臣)・亀井(自民党政調会長)はバッチリだ」

「本日亀井政調会長が都庁を訪問し、東京都の懸案事項への国費投入を約束していった」
「国費投入は(亀井静香政調会長OK

というメモも同時にあったからですが、土壌汚染対策法が豊洲移転問題のために立案されたということはあり得ないので、仮にこのメモの内容通りの交渉が行われていたとしても、「新しい法律を作って売却を厳しくしてやるからな」という意味であると、客観的に言えるかというと、難しいと思います。

むしろ、「今度こういう法律が成立する運びとなっているから、早く売却した方が東京ガスのためにもなる」、という助言と捉える余地すら出てきます。

twitter.com

 

このメモですが、作成者はおそらく末端の交渉担当者なのでしょう。そのメモの真実性にも疑義があります。

本当にそのような内容の会話が行われたとしても、音喜多議員も質疑の中で自ら言及しているように

 

このメモの内容が移転決定に影響を与えたのであれば問題

 

なのですが、東京ガスの証人は移転決定の権限を有するであろう方々であって、その方々が全員このメモの内容を「初めて聞いた」と言っているということは、移転の判断に影響を与えなかったと考えるのが筋です。

それとも、全員が口裏合わせをしていて、嘘をついているとでもいうのでしょうか?

もちろんその可能性は常についてまわりますが、そうではないでしょう。

では、音喜多議員が全く信憑性のないメモを持ち出しているのか?

といえば、それもそうではないと思うのです。

 

あくまで東京ガス側の一交渉担当者の主観的な「受け止め方」であり、それは交渉過程の中でそのような受け止めをしてしまう事情があったのかもしれません。

 

したがって、質疑終了後に書かれたブログの中で音喜多さんが言っているような、「明白な政治的圧力」の事実は、現時点ではまだ確認されていないというのがフェアな受け止め方です。

ただ、音喜多さんは、いわば「ある程度のあたりをつけて」質問に望まれていると思いますので、一方からは直ちに賞賛され(TV界隈)、他方からは非難される状況にあるかと思います。

音喜多さんの活動は「本当のところは何だったのか」を明らかにするものであると思いますので、私は彼を応援しています。

それでも問題視されるべき内容

石原都知事の安全宣言

 問題と思われるメモの内容のうち、「石原都知事が安全宣言をする」ということが

「土壌汚染調査、対策が基準を満たしていなくても、石原慎太郎都知事が安全であるという鶴の一声で世論とメディアからの追及は逃れることは可能だから、早く売りましょう」

という趣旨であるなら問題です。

そうであるからこそ
①メモの内容(都側の交渉者がそのような発言でもって東京ガスと交渉したのか)が真実なのか
②真実であったとしても最終的な判断に影響したのか

これらが重要だと思います。

こういった疑惑があるからこそ、音喜多さんの活動は一定の意義を有しています。

豊洲移転延期との関係

 では、音喜多議員によって示されたメモの交渉過程が事実で、さらに移転判断に影響を与えたとしましょう。

 

小池都知事の移転延期判断に、今回のことは関係があるのか?

 

これは、全く別問題だと思います。

もちろん、都の交渉過程で手続き的な不備や違法な態様の取引が行われていたとしたら、それ自体が問題視されるべきです。

ただ、それは都行政の内部の問題であって、当時の役職者らの資質が問われるべき話でしかありません。

それとも、石原慎太郎都知事の移転判断に瑕疵があるから、行政処分の無効や取消訴訟を提起でもして、盛大な「巻き戻し」をしようとでもいうのでしょうか?

その可能性は0ではないにせよ、そのようなことをすれば

間違いなく都民が不幸になります。

www.facebook.com

 

報道によると、小池都知は豊洲市場江東区)の土壌汚染対策について

消費者が合理的に考えてくれるかクエスチョンマークだ

と述べたとあります。

小池さんは、私たち消費者の主観に移転判断を任せているのでしょうか???

この点については様々な意見がありそうです。

 

結論:土壌Xデーに代表される「新事実」と言われているものは、未だ事実とは確定していない

こうした衝撃的な内容は、既成事実のように独り歩きしてしまいがちです。

よって、現時点で確定的な判断をすべきではなく、時間が経ってから何を見ればいいのかを考えていくべきでしょう。

 

※3月19日追記

百条委員会が進展していく中で、新たな情報が出ていますが、この日記の中では、3月13日当時に得られた知見をもとに記述しています。ただし、誤解を招きかねない書き方や文脈となっている部分については、新たな情報の追加とならない限度で修正していく場合があります。

 ※3月20日追記:その後の展開を整理した以下の日記もどうぞ。

nathannate.hatenablog.com

 

 

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