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報道を整理する「じょうほうせん」記録

政治関連など報道されていることで、よくわからない点や誤解が多い点について、事実に基づいて整理します

もう一度、事実に基づくということ:「土壌Xデー」とは、「東ガスの環境対策がオープンになる『Xデー』」

豊洲移転問題

百条委員会も進展し、新たな情報が出てきましたね。

3月19日時点で得られている知見を前提に、これに関する報道を整理していきます。

 

 

音喜多議員が「土壌Xデー」と呼ぶものとは

www.youtube.com

 

重要部分は、産経新聞さんが書き起こしてくださっています。

書き起こしの内容は、動画を見て実際の発言と同じと確認しました。

記事中の《》の部分は産経新聞の説明。

ここでは、自民党の河野ゆうき都議の質問(動画の28分20秒から終わりまで)において、「土壌Xデー」に関する部分についてピンポイントに引用していきます。

 

音喜多議員によれば、「土壌Xデー」とは

  1. 土壌対策基本法が適用される日である
  2. その結果、汚染対策基準が以前よりも厳格になる
  3. そのため、土壌汚染の度合いがより大きいと「評価」されるおそれが非常に高い
  4. したがって、土壌汚染が発表されることで土地が値下がりする日であるといえる

というものであるとされていました(※1~4の論理過程は私による説明です)

 

パネルでは「新事実」と銘打っていましたが、これは音喜多議員の仮説であり、事実と確定している訳ではありません。

 

これに対して、今回明らかになったのは次の2点です

  • 該当メモには、「東ガスの環境対策がオープンになる『Xデー』」という記載があった
  • 該当メモには、日付、記入者が書かれておらず、他の資料に比して異質である

 

これに対する河野議員のメモの解釈は

「東ガスの環境対策がオープンになる『Xデー』」と書いてあるが、土壌調査結果と今後の対応について「13年1月25日東京ガス」となっている。どう見ても東ガスが自分たちでやろうとしている土壌対策について、都の対策(の発表)を先取りして、内容を発表しようとしていた日のことを言っていると思われる。

 

「事実」と「解釈・推測」

事実とは、「東ガスの環境対策がオープンになる『Xデー』」という記載があったということです。

解釈・推測とは、これを他のメモ上の記載や、他の資料と組み合わせた結果

  • 東ガスが自分たちでやろうとしている土壌対策について、都の対策(の発表)を先取りして、内容を発表しようとしていた日
  • 土壌汚染が発表されることで土地が値下がりする日

などという意味であると理解、予想することです。

 

いずれの解釈が正統かという話に持っていくこともできますが、これは現時点ではそういう話にするべきではないでしょう。

 

なぜなら、該当メモには、日付、記入者が書かれていないのですから、公的には事実に基づかない解釈・推測の可能性が高いと評価されるからです。

 

私個人の予想としては、東京ガスの誰かがメモのような記述を真実として行い、都側が圧迫を行ってきたと「受け止めた」ということは、あったのだろうと思います。これは、それまでの交渉過程で、そのように受け止めざるを得ない状況、あるいは個人の心理状態であったということなのではないかと思うのです。
これは、次に紹介する動画の46分からの発言で浜渦元副知事が述べたとことからも推測されます。

10月に東京ガスにご挨拶にあがりました。そのときにですね、役人さんが向こう側に並んでいましたが、議論をする前に顔を真っ赤にして怒っているんです、東京都は勝手な事をすると、言葉は悪いですが、東京都は信用できないと。それは、中央市場長でありましたから、これはもう人間関係が破たんしていると。こういう人を担当にしてはいけないと思いましたので

 

しかし、公的な場面で、公式見解として、メモの記述が事実であるという前提で話を進めてしまってはいけません。これを認めるとすると、いったい私たちの文明は何のために「証拠能力」「証明度」という概念を発達させてきたのかがわからなくなります。

 

そして、メモの内容が事実だとしても、音喜多議員や河野議員のいうような解釈・推測が成り立つのかの問題もクリアしなければなりません。

 

さらに、最終的には、音喜多議員が言っていたように、この点が豊洲移転判断に影響を与えていたかが明らかになって、初めて騒ぎ立てられるべき事項なのです。

 

小括:もう一度、事実に基づくということ

フジテレビが豊洲の柱が傾いているという報道をしたとき、音喜多議員は都議の調査権を行使して自ら現地調査していました。

傾いていなかった豊洲新市場の「疑惑の柱」。悪質なデマには、デマと丁寧に反証することが必要 | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト

 

その他、豊洲の「汚染」の客観的な評価の仕方や築地の汚染についても発信していることから、音喜多議員もまた、事実を大切にする者であるはずです。

 

論理的にあり得る解釈や推測を述べるだけで何かをした気になってはいけません。

 

次の問題点?への移行:「水面下の交渉」は悪なのか?

音喜多議員の質問は動画の39分10秒から。水面下の交渉については51分43秒からです。

www.youtube.com

 

音喜多議員は、水面下の交渉で、東京ガス瑕疵担保責任の合意書や土壌汚染に関しては汚染は残滓(ざんし)されることで良しとする確認書が存在したこと、その確認書の内容の共有が歴代の市場長にされてこなかったことが問題だと指摘しています。

 

さて、ここで考えなければならないのは、次の5点であると思われます。

  1. 国や地方公共団体の活動は、すべてが記録され、公開されるべきか?
  2. 東京ガスは私企業であるが、私企業が絡んだとしても、国や地方公共団体の交渉内容はすべてが記録され、公開されれるべきか?
  3. 今回の「水面下の」交渉は、逐一記録され、公開されるべき内容だったのか?
  4. 都による東京ガスの土地購入の条件は、都民と東京ガスの双方にとって、マイナスにもプラスにも働きうるものであったこと。
  5. 国民、都民への公開を予定して議事録等が記録されることと、行政組織内部の情報共有の問題をごちゃまぜにしていないか?

音喜多議員の問題提起には、上記の疑問がついてまわります。

1~3については、私には扱いきれないテーマなので触れませんし、他もここでは軽く指摘するにとどめます。

 

このあたりのスタンスは、同じ都議会議員のやながせ裕文さんらが参加している調査チームの小池都知事への提言が、より正当だと感じています。

nathannate.hatenablog.com

 

まとめ

  • 土壌Xデーは、未だ事実かどうか不確定なものに基づく推論の域を出ていない
  • 事実と解釈・推測を分けて考えること
  • 水面下の交渉が直ちに悪であるとすることには、検討されるべき疑問点が多数ある(上記5点を参照ください)

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